たまじゃり

寺の片付けをやりに寺まで駆り出されました。
そこでふと思い出したことがあります。


本殿を建てたときのことです。
震災と台風とでええかげん駄目になってた本殿を建て直して、工事も完了してふうやれやれとなったわけです。
予算の都合上以前の江戸時代の浄土宗建築の再現はできませんでした*1が、まあそこそこ見栄えのする本殿です。周りには黒い玉砂利を敷き詰め、周りからもなんとなく荘厳な雰囲気が漂ってきそうなもんです。
で、一夜明けると。


玉砂利が全部ただの工事現場とかの砂利に置き換えられてました。


……工事終了、引渡しの翌日ですよ?
ちゃんと落成式もやってないのに。
まあ犯人は明らかですわな。工事をやった業者です。だって終わったこと知ってて、そんなことやってメリットあるのそいつらだけですもん。でも状況証拠だけで、見張ってたわけでもないので犯人として挙げられるわけでもなし。
で、こういうときはウチだけでなく普通檀家の総代も業者に抗議に行くわけですよ。
ウチの檀家総代は三軒あります。
「……こういうことがありましたんですけど」
とりあえず報告完了。
「いや、でもねえ、ちゃんと証拠があるわけやなし……」
「そうそう、ウチの紹介した業者がそんなんするはずあらへんやないですか」
……。こいつら、金もらってやがる!!


そんなわけでウチの境内には砂利が相変わらず敷き詰められております。
ちなみにその時金もらってた総代連中ですが、村中で飲み会やってる最中に中座しようとしたら足が動かず、そのまま大騒ぎしながら運んでもらって帰ってきたのですがそのまま足は動かずじまいで。下半身不随になって生活しているそうです。
仏罰ってあるんだなあ、という寺にまつわる出来事でした。

*1:技法を伝えている工房が既に存在しないので元の部材とまったく同じように部材を切り出して以前と同じように組み立てないといけない……非常にお金がかかる