世界に一つだけの花

組織学実習というのはスケッチの時間です。
プレパラートの上に載った組織を、精確に、各部位を同定しつつ、なおかつアーティスティックに描ききる己とのガチンコ勝負です。
なお、己との勝負に勝ったところで審判の教官からは問答無用で不可を落とされたりするあたりが人生の縮図にぴったりです。
そう私が目指すはオンリーワン。
私にしか描けない絵を求めて日夜探求を重ねていくのであります。


さてここな私がとりいだしましたるは水彩色鉛筆。
水に溶かせば水彩絵具調になるという優れものです。
他の人々が色鉛筆で適当にやっている中、まずは下塗りから始めていきます。
下地になる色は今回はピンク。全体に薄く塗ると指に水をつけ全体にのばしていきます。
こうしてやるとあら不思議。綺麗に一面ピンクになりました。
次は上におく色です。
十分乾かして水気を飛ばし、描いたところから色がにじまないようにしてから上におく色でざっと色をつけていきます。濃淡の調整は今のうちから入念に。細いところは指ではなじませられないので、結局は鉛筆任せなんですから。
さて、最後は細胞核など、最後にのせる色です。
こいつらは深く考えずにおいていくことができます。
すなわち、色鉛筆の先を水入れ(ペットボトルのふた)にちょっとだけ漬けて、上からねらったところを突いていくのです。
こうして綺麗な絵が出来上がり。
そして気づけば最後から数えて10人以内に入ってる自分がいたり。


……いや、だから凝りすぎなんだって、自分。